当科の起源は1966年に八瀬善郎先生が教授を務めた神経病研究部に遡ります。牟婁病(紀伊ALS/PDC)の研究は、今日に至るまで当科で受け継がれている重要なテーマです。今なお確立した治療法がなく、苦しんでおられる患者さんのために成果を急がねばなりません。
1999年には、診療科として神経内科が誕生しました。近藤智善先生が初代教授として着任し、パーキンソン病を中心とした臨床研究、生理学的研究、薬理学的研究などで成果を上げました。
2012年からは神経内科学講座となり、伊東秀文先生がALS、パーキンソン病、認知症などの神経変性疾患に対して病理学的なアプローチで研究を進め、新たな治療法開発を行ってきました。
この間、当科には多くの若手医師が入局し、神経疾患全般をカバーできる診療体制が整いました。そして、2024年11月、このような伝統があり、成熟期を迎えつつある教室を、当方が引き継がせていただくことになりました。
教室運営のキーワードは「継承と新風」です。
先輩方が蓄えてこられた研究テーマや研究手法を「継承」し、当方が学んできた免疫学的手法という「新風」を研究にも臨床にも融合させ、新たなアプローチで脳神経内科学を紐解いてまいります。
365体育appになり、高齢化社会が加速し、地方では過疎化が進んでいます。広大な面積をもつ和歌山県でも地域医療の維持が課題です。専門医を効率的に配置することや、遠隔診療も用いて、どこに住んでいても最新の医療が受けられるような体制を目指します。
分子標的薬が神経疾患にも保険収載されるようになりました。特に神経免疫疾患では予後が劇的に改善しています。これまで対症療法しかなかった神経変性疾患に対しても疾患修飾治療が始まっています。脳神経内科は今後も劇的に発展してゆく診療科でしょう。
昨今、総合診療の重要性が叫ばれています。高齢化社会において、複数臓器の疾患をもつ患者さんが増加しています。脳神経内科は、頭のてっぺんから足の先まで、全身を診察しますので、総合診療を実践するうえで適した診療科です。伊東前教授が掲げてきた、あらゆる神経疾患を扱うGeneral Neurologyを実践し、総合診療を意識した新しい時代の脳神経内科学を推進してまいります。
2024年11月 宮本勝一
学歴?職歴
所属学会