和歌山県ドクターヘリ運航20周年 ~和歌山県ドクターヘリは今年運航20周年を迎えました~

和歌山県ドクターヘリは、 今年運航20周年を迎えました。

 

和歌山県ドクターヘリは、平成15年1月に運航を開始しました。附属病院屋上ヘリポートに常駐し、消防機関等からの要請により出動しています。

ドクターヘリとは?

医療スタッフや医療機器を備え、救急患者の元へ向かうヘリコプターです。
早期に救急医療を開始することが可能であり、救命率の向上や後遺症の軽減に大きな効果が期待されます。

搭乗者は?

 救急科医師1名、看護師1名、パイロット1名、整備士1名の合計4名が搭乗しています。
 現場で、傷病者1名と場合により付き添い1名を乗せて病院へ搬送します。

運航時間や運航範囲は?

午前8時から日没まで運航しています。 運航範囲は和歌山県全域、大阪府全域、奈良県全域、三重県や徳島県の一部です

活動の様子1

【活動の様子】

県内約400か所の「ランデブーポイント」と言われるドクターヘリ臨時離発着場所で傷病者を乗せた救急車と合流し、フライトドクターとフライトナースが傷病者の診察?初期治療を開始します。

 

活動の様子1そして、傷病者の容態を搬送可能な程度にまで安定化させてからドクターヘリ又は救急車で当院もしくは患者さんの容体に合わせた受入れ病院へ搬送します。


365体育app5年9月末までの出動件数は8368件です。
現在まで無事故運航を継続しています。

年度別運行件数

疾病内訳

現場出勤の疾病内訳

交通事故や仕事中の外傷など外因的なものから、心筋梗塞や脳卒中などの内因性疾患まで幅広い病状の方を搬送対象としています。また、小児科医師や産婦人科医師とも協力し新生児や母体の搬送も行っています。

ドクターヘリ20周年に際してヘリ搭乗スタッフコメント


フライトドクター
米満尚史
 まだ全国的にもドクターヘリが物珍しく自分も駆け出しの救急医だった頃、何かの取材で「どんな重症でも絶対に(患者さんを)生かして連れて帰る」と意気込んでいた記憶がぼんやり残っている。今思うと若気の至り以外のなにものでもない。
 わかりやすいが誤解を生む「ドクターヘリは飛ぶ救命救急室」というキャッチコピーがあったが、機内でできることは意外と少ない。装備も最小限で適応外事案もあり、和歌山県自体がドクターヘリ運用に不慣れであった導入初期。が、この20年で運航スタッフと医師?看護師など医療スタッフ、行政、消防本部が職種横断的なチーム医療を発揮して、適応拡大に合わせた装備充実、基地病院自体の重症対応体制整備、県内の主要病院や救急隊との連携強化などを通して、和歌山県全体でドクターヘリを最大限活用する状況が醸成されている。
 フライトミッションを通して、できなかったことも、うまくできたことも、いろいろあった。ドクターヘリや自分に限界を感じることもある。だから20年経って、あの時の若気の至りはどうなった?と問う。でもやっぱり、「生きて連れて帰る」。少なくとも目標として。和歌山県ドクターヘリ事業は確実に成長を遂げているけれど、個人としては今も若気の至り(のつもり)。まだまだ、頑張らないといけないようだ。

フライトドクター

國立晃成

 フライトドクターの國立と申します。ドクターヘリは和歌山県に平成15年1月より運行を開始し今年で20周年を迎え、現在までの出動件数は8200件を超えてきております。交通事故や仕事中の外傷など外因的なものから、心筋梗塞や脳卒中などの内因性疾患まで幅広い病状の方を対象としています。また、小児科医師や産婦人科医師とも協力し新生児や母体の搬送にも尽力しております。
 ドクターヘリの最も重要な利点は、医師?看護師がいち早く患者さんと接触し、すぐに診察?治療を開始できることにあります。特別な修練を受けた医師と看護師が重篤な患者さんに対しいち早く診察、治療を開始し、患者状態に応じて的確な処置?判断を行ってから対応できる医療機関に搬送できるようにします。救急医療の現場では1分1秒を争う現場も多く、患者さんの状態が重症であればあるほど厳しい状況下での的確な判断?治療が要求されます。我々ドクターヘリスタッフは患者さんやその家族にとって最善の治療を提供できるようにしたいと考えており、命を繋ぐ役割を担えるよう日々、技術や能力の向上に努めています

フライトドクター

福島純一

 現在OJT(フライトドクター見習い)中の福島純一と申します。見習いといっても、先輩フライトドクター見守りの中、出動準備から、患者さんの診察?処置、方針決定、搬送まで可能な限り自分の力で行っています。まだまだ未熟な部分が多く、先輩フライトドクター、先輩フライトナースの指導を日々受けながら一人前になれるように頑張っています。
 現場に到着するまでは、どのような患者さんがどのような状態で待っているかが、ほとんどわからずに難しさを感じます。乳幼児から妊婦、高齢者全ての方の診察をしなければなりませんし、心筋梗塞や脳卒中などの重症疾病はもちろん、溺水や交通事故による外傷などどのような状態であっても落ち着いて対応する必要があります。
 山間部が多く、重症患者さんの対応可能な病院が点々としている和歌山では今後ますますドクターヘリの必要性が高まってくるとも考えています。
 医学生の頃からフライトドクターになるのが一つの目標でもあっため、現在ドクターヘリ事業に関われていること大変嬉しく思っています。県民の方の安全、健康、命を守ることに少しでも貢献できるようにこれからも邁進していきたいです。

フライトナース
川乗有加
 私は入職時からHCU、ER、ICUと救急科での経験を積み、フライトナースとして12年目となりました。入職当初は、フライトナースとして活躍している先輩の姿は憧れの存在でした。しかし、救急科での経験を積む中で、もう少しスキルアップしたいと考えるようになり、フライトナースに挑戦してみたいと思うようになりました。
 刻一刻を争うヘリの現場は想像以上に厳しい場面も多く、その中でも最大限のケアを行わなければなりません。フライトナースを始めた当初は、困難な事や壁にぶつかる事ばかりで、出来ない自分が悔しく、挫けそうになる日もたくさんありました。そんな中でも搬送してきた患者さんが治療をおこない元気になっていく姿を見ると「フライトナースとして、頑張ってきてよかった」と心からやりがいを感じます。日々の活動では、急な病気や事故で不安が強い患者さんや家族の方に寄り添い、少しでも力づけれるような看護を心がけています。また、ヘリの現場では、医師や看護師だけでなく、パイロットや整備士、CS、消防、警察などの他職種が1つとなり、目の前の患者さんの命を救うために全力を尽くしています。救急医療の最前線で、自分が現場の一員となって働けることを誇りに思い、今後も看護師として成長していきたいです。

フライトナース
濱崇洋
 私はフライトナースになり今年で3年目になります。入職後よりHCUという病棟で救急の経験を積み、現在は救急外来で業務をおこなっています。
 ドクターヘリでの活動は限られた情報から患者さんの状態を推測し、適切な処置を迅速におこなう必要があります。そのため日々、救急外来で初期診療をおこない、どのような患者さんでも的確な対応ができるように経験を積んでいます。ドクターヘリの現場では主に救急車内で活動をおこないます。狭い車内で限られた医療機器を活用しながら、医師や救急隊と協力し診療にあたります。現場での活動中は視野を広く持ち、どのように行動すれば1分1秒でも早く、病院に患者さんを安全に搬送できるかを常に考えています。
 また365体育app感染症が5類感染症になったため、緊急を要する患者さんでは家族さんもドクターヘリに同乗できるようになりました。急な疾病や事故で、患者さんや家族さんも動揺していることがほとんどです。限られた時間ではありますが声かけなど十分におこない、患者さん、家族さん共に安心して病院に到着できるように関わっていきたいと考えています。

フライトナース
新谷有加
 私はドクターヘリに搭乗して3年目になります。入職後一般病棟を経て救急外来、HCUと救急領域を経験し、現在はICUで勤務しています。
 私はこれまで、病気や怪我をされたばかりの時期から、徐々に回復して一般病棟に移り、退院して地域に帰られる方々の経過を見てきました。入院したての時には勿論ですが、それぞれの時期に、患者さんや家族さんは様々な不安や心配を抱えています。これまでの経験から、それぞれの時期に寄り添い、今後のことを一緒に考えられるような看護がしたいと思っています。
 その中でもドクターヘリに搭乗し対応させて頂く患者さんや家族さんは、今どんな状況で、これからどうなるのかとても大きな不安を抱えられています。命を守るのは勿論ですが、その不安を少しでも解消できるようにしたいと思っています。
 また、ドクターヘリには様々な職種が関わって運行しています。医師や看護師、操縦士、整備士、CSなど、それぞれが役割を担うことで患者さんを一刻も早く適切な治療が受けられる様に活動してます。そのようなチームの一員として、今後も緊張感をもって日々研鑽していきたいと思います。

ヘリ画像1

ヘリ画像2

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